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長野県軽井沢町で起きたバス事故は、自身も毎年何度か通る道だけに他人ごとではない。碓氷峠には旧道とバイパスがあるが今回の事故はその碓氷バイパスで起きたものだ。

つづら折りの群馬県側を登り終えて下りにかかると緩やかな下り坂に感じるが、実際にはあっという間に加速する場所であってブレーキからほとんど足が離せない。大型バスにあってはその加速度は想像に難くない。

被害者となったバスの乗客の皆さんやその家族には「気の毒」という言葉だけでは形容しきれないものがある。亡くなった方々のご冥福をお祈りする。

現時点では各機関の調査の途中であり、はっきりしたことは言えないが、少なくとも運転手、乗務員の立場からすれば労災事故である。まずは36協定届が出されていないことや、健康診断を受けさせていないこと、車両の点検整備もされていなかったことなど、問題の多い会社だったことが明らかになっている。

労働基準法違反、労働安全衛生法違反などと法令の遵守がされていない。そして運転をしていたとみられる方は高齢で昨年12月からの勤務、まして繁忙期だけの契約社員だということだ。聞くところによればこの会社は運転者の方の家族も把握していないという。労災死亡事故となっても給付を受ける遺族がいないことが考えられる。

廃棄されたものがスーパーに出回ることや、法令違反による交通事故も昔から無いことではないが被害者はいつも小市民である。やはり法の規制をトンネルに例えれば、入口はもちろん出口や途中の経路まで監査対象としなければだめで、またそのつもりでやっているはずなのだが、何せ役人体質なのか手が回らないようだ。入口に人材を割いているのか。

運行管理者講習の講義を長年引き受けている立場としては、悲しいかな法令順守を呼びかけるだけなのである。

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